舞台「改竄・熱海殺人事件」に挑む兒玉遥 “女優”として一歩先へ…単独インタビュー

2019年6月にHKT48を卒業し、本格的に女優の道を歩みだした兒玉遥(23)。昨年「私に会いに来て」で女優としての初舞台を経験し、3月からは演劇界の巨匠・つかこうへい氏の代表作の1つ「改竄・熱海殺人事件」に出演する。アイドルとして成功を収めた彼女は、何を目指し女優となったのか。 ENCOUNTは単独インタビューを行い、“女優・兒玉遥”の素顔に迫った。

舞台「改竄・熱海殺人事件」への意気込みを語った兒玉遥【写真:山口比佐夫】
舞台「改竄・熱海殺人事件」への意気込みを語った兒玉遥【写真:山口比佐夫】

つかこうへい演劇祭 第二弾「改竄・熱海殺人事件」出演 兒玉遥インタビュー

 2019年6月にHKT48を卒業し、本格的に女優の道を歩みだした兒玉遥(23)。昨年「私に会いに来て」で女優としての初舞台を経験し、3月からは演劇界の巨匠・つかこうへい氏の代表作の1つ「改竄・熱海殺人事件」に出演する。アイドルとして成功を収めた彼女は、何を目指し女優となったのか。 ENCOUNTは単独インタビューを行い、“女優・兒玉遥”の素顔に迫った。

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――女優の道を選んだ理由を教えてください。

「アイドルの活動をしていた途中で休養期間をいただいたんですが、その時に20歳を過ぎて、将来を考える時間がありました。自分と同級生の友人が大学を卒業して、何を仕事にしようか考える年齢に達した時、私はずっとアイドルでいいのか、HKT48にいていいのか、と考えるようになりました。どんどん後輩たちが入ってきて、そのタイミングで自分がやりたいことや、将来へ向けて自分がお仕事をするなら何がいいのかを考えたときに、自分の中にあるお芝居をしたいという気持ちに気づきました。以前はアイドルのことしか考えられなかったけど、一旦ゆっくり考えてみると、自分がやり残したことでしたり、本当にやりたいことが見えてきて、そこで見つけたのがお芝居でした」

――趣味は映画鑑賞と伺いました。女優の道を選んだのは趣味も関係していますか。

「自分も映画を観て、元気をもらったり、考え方が変わったことがあります。ひとつの作品で自分の中の何かを変えられる、心に響くというか、そういったことをできるお仕事って素敵だなと思いました。私も自分がお芝居をすることによって、観ていただいた方に元気を与えたり、心を動かしたり、感動してもらえたら、すごく幸せなので、女優の道を選びました」

――昨年は舞台「私に会いに来て」に出演しましたが、女優としての初舞台はどうでしたか。

「稽古は大変で、自分と葛藤する毎日で、大変な部分はあったんですけど、いざ本番を迎えて、最後までやりきってみると、すごく楽しいんです。演じきった後の喜びと楽しさが、また舞台をやりたいという気持ちになりますね。1人ではなく、演出家やたくさんのスタッフさん、共演者の皆さんとひとつの舞台を作り上げていくという感じが楽しかったです」

――初舞台の際は「この舞台は私にとってアイドル卒業公演であり、女優・兒玉遥のお披露目にしたい」と目標をあげていました。

「舞台に立つ自分を観てもらって、ファンの方に安心してもらいたいという気持ちがありました。アイドルとしての卒業公演をしていないので、その部分でなにか区切りをつけたかったです。これから私は女優として頑張っていく、という姿を見せることが大事だと思って、このスローガンを持って初舞台に臨みました」

――兒玉さんといえば“滑舌キャラ”として知られていましたが、舞台に出演するにあたって滑舌改善の努力はありましたか。

「必ず割り箸を使った滑舌トレーニングをして、稽古に挑むようにしていました。割り箸を口に挟んだまま、セリフを言うんですが、そうすると割り箸を外したときにハッキリ聞こえるようになります」

――他に演技で気をつけていることはありますか。

「より自然にお芝居をすることを大切にしています。前回の『私に会いに来て』はドラマのような、映像にしても不自然ではないお芝居を求められていたので、その自然さを意識しました。自然だけど、ちゃんと舞台で演じているように表現するというのがむずかしかったです」

――3 月より上演される舞台「改竄・熱海殺人事件」では、婦人警官・水野朋子役を演じます。出演が決まった時はどんな気持ちでしたか。

「自分が『熱海殺人事件』をできるんだ!という喜びと、あの熱量が高い、台詞も多い役を自分ができるのか……、というプレッシャーも一緒に感じました。同じ事務所の今泉佑唯ちゃんが出演した『熱海殺人事件 LAST GENERATION 46』(2019年上演)を観させていただいたんですが、これを自分で演じきれたら絶対に自信になると思いましたし、観ている人にも『ちゃんと女優やっているんだ』と感じてもらえると思っています」

――演じる水野朋子は、かなりの台詞量がある役です。

「見たことないくらいのページ数の台詞があって、自分でも『えっ!これできるの!?』と半信半疑です。これから稽古が始まるんですが、稽古が始まる前に、どれだけ台詞を頭の中に入れられるかも勝負なので、毎日台本を読み込んでいます」

――SNSでは「女優として一歩先へ進める作品にできるよう全力を尽くします」と意気込みを綴っていました。

「辛い状況が来るという覚悟を最初に決めていれば、大丈夫!って自分の中で余裕ができるというか、前もって『この舞台は、はっきり言って大変なんだよ!』と自分に言い聞かせています。そうすれば落ち込んだり、葛藤やつまずくこともあると思うんですが、それを承知でここを乗り越えればって気持ちで、自分を奮い立たせています」

――今回の「熱海殺人事件」は「ザ・ロンゲストスプリング」と「モンテカルロ・イリュージョン」の2本立てで上演されます。兒玉さんは「モンテカルロ・イリュージョン」に出演しますが、2本立てでの上演についてはどう考えていますか。

「『ザ・ロンゲストスプリング』の水野朋子役は、馬場ふみかさんが演じるということで、演じる人によってまた全然違った雰囲気になると思いますし、ストーリー自体も違うので、観る人には是非、両方を観ていただいて違いを楽しんでいただければと思っています」

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